紅巾軍の一派から頭角を現した朱元璋は、長江中流の陳友諒、下流の張士誠といった有力な群雄たちを次々と打ち破り、江南一帯の統一を成し遂げていった。1368年、朱元璋は南京(応天府)で皇帝に即位し、国号を「明」、元号を「洪武」と定める。同年、明軍は北上を続けて元の都大都を包囲し、最後の皇帝順帝(トゴン・テムル)は抵抗をあきらめてモンゴル高原へと退いた。こうして約100年に及んだ元による中国支配は終わりを告げたが、順帝以下の元朝勢力はモンゴル高原でなお命脈を保ち、後世「北元」と呼ばれる政権として明と長く対峙し続けることになる。