元末になると財政悪化を補うための重税に加え、黄河の大規模な氾濫とその治水工事への農民の強制動員が大きな不満を招いていた。こうした中、弥勒仏がこの世に降臨し新たな理想世界をもたらすという終末思想的な信仰を説く白蓮教の指導者韓山童・劉福通らが蜂起し、頭に紅い布を巻いたことから「紅巾軍」と呼ばれる反乱勢力が各地に広がった。反乱は瞬く間に華中・華南一帯に波及し、元の統治機構は急速にその実効支配力を失っていくことになる。この動乱の中からは、後に明を建てる朱元璋をはじめ、江南に割拠した張士誠、湖広を制した陳友諒など、群雄と呼ばれる有力な地方勢力が次々と台頭してくることになった。