日本では江戸時代の『三国志演義』翻訳以来、中国の歴史は多くの小説家たちを魅了してきました。 代表作とあわせて紹介しますので、興味のある時代の一冊から手に取ってみてください。
吉川英治三国時代
『三国志』
『三国志演義』を日本語で読みやすく再構成した国民的名作。以後の日本における三国志ブーム(ゲームや漫画も含む)の原点とされる。
陳舜臣秦〜清
『秦始皇帝』『太平天国』『小説十八史略』ほか
台湾系の家系に生まれ、神戸で育った作家。中国史全域を舞台に膨大な作品を残し、綿密な考証に基づく歴史小説の書き手として高く評価されている。直木賞受賞。
井上靖北宋・前漢ほか
『敦煌』『楼蘭』『孔子』
シルクロードや西域を舞台にした作品で知られる文豪。『敦煌』は北宋時代の西域を舞台にした代表作の一つ。
宮城谷昌光春秋・戦国時代
『重耳』『太公望』『楽毅』『孟嘗君』ほか
春秋戦国時代を中心に、古代中国史の人物を丹念に描く歴史小説の第一人者。この時代を専門的に扱う作家として国内でも独自の位置を占める。
司馬遼太郎秦末〜楚漢戦争
『項羽と劉邦』
日本史小説の巨匠として知られるが、秦末の動乱から楚漢戦争を描いた『項羽と劉邦』は中国史題材の代表作として広く読まれている。
北方謙三三国時代・北宋
『三国志』『楊家将』『水滸伝』『楊令伝』『岳飛伝』
ハードボイルド作家として知られる筆致で、三国志や水滸伝など中国の古典を独自の解釈で書き直したシリーズを多数手がける。
塚本青史前漢・三国時代
『劉邦』『呉・越春秋』『諸葛孔明』
前漢の建国者劉邦や三国志の諸葛亮など、中国史の英雄たちを主題にした作品を多く手がける。
酒見賢一戦国時代
『後宮小説』『墨攻』
架空の中国王朝を舞台にしたデビュー作『後宮小説』で日本SF大賞を受賞。戦国時代の思想家墨子の守城戦を描いた『墨攻』は映画化・漫画化もされた。
田中芳樹南北朝時代
『奔流』ほか
『銀河英雄伝説』で知られるが、南北朝時代を舞台にした『奔流』など中国史を題材にした作品も手がけている。
安能務殷末〜三国時代
『封神演義』『西遊記』『三国志演義』(現代語訳・再構成)
中国の四大奇書などの古典を、現代の読者にも読みやすい形で翻訳・再構成したことで知られる。後のアニメ・漫画化された作品の原典として広く読まれた。
柴田錬三郎北宋
『水滸伝』
戦後日本を代表する大衆小説家の一人。北宋末の梁山泊に集う好漢たちを描いた『水滸伝』の翻案で知られる。