崖山の戦いで南宋の残存勢力を海上で殲滅した元は、ここに中国全土を単一の支配下に置くことに成功する。これは異民族王朝が中国の南北全域を統一支配した史上初めての事例であり、以後の征服王朝(清など)の先例ともなった。元は統治にあたり住民をモンゴル人・色目人(西域出身者)・漢人(旧金支配下の華北民)・南人(旧南宋支配下の江南民)の四階層に区分し、科挙も一時停止するなど、江南の旧宋の士大夫層を政治の中枢からは遠ざける統治方針をとった。一方で江南の豊かな経済力そのものは温存・活用され、大運河の改修や海運の拡充を通じて江南の物資を大都へ運ぶ体制が整えられていった。