実力や血統によらず、徳のある人物へ王位を譲る「禅譲」の理想を体現する伝承として、堯ぎょうが舜しゅんに、舜がさらに禹うに位を譲ったと伝えられる。この物語は後世の儒家によって理想的な統治のあり方として繰り返し称揚され、有徳者による統治という政治思想の重要な典拠となった。史実としての実態は明らかでないが、後代の王朝交代において自らの正統性を主張する際にも、しばしばこの禅譲の故事が引き合いに出された。堯・舜を祀る廟は山西省など各地に伝わり、現在も伝説の記憶をとどめている。