王が国家の重要事項を占う際、亀の甲羅や獣の肩甲骨を火であぶってできたひび割れの形から吉凶を判断し、占いの内容と結果を刻みつけたのが甲骨文字である。現存する最古の体系的な漢字群であり、既に象形・指事・会意・形声といった漢字の基本的な構成法がほぼ出そろっていたことが確認できる。王の狩猟・祭祀・軍事・農事・天候など、当時の政治と生活のあらゆる場面が記録されており、王の意思決定に深く関わる重要な史料となっている。19世紀末に薬材「竜骨」として売買されていたものが甲骨文字と気づかれたことをきっかけに存在が知られるようになり、以後の殷墟発掘調査によって10万点を超える出土が確認されている。