元の人物一覧に戻る
元
元 / 1271 – 1368

クビライ(世祖せいそ)

チンギス・ハンの孫。モンゴル帝国第5代皇帝であり、中国風の国号「元」を定めて中国全土を統一支配した。

クビライ(世祖)
作: アニゲ(元代宮廷画家、国立故宮博物院蔵) / Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

生涯・業績

チンギス・ハンちんぎすはんの孫として生まれたクビライは、モンゴル高原の遊牧文化のなかで育ちながらも、若い頃から中国の統治制度や文化に強い関心を寄せ、漢人の儒学者や仏僧を積極的にブレーンとして登用したことで知られる。兄モンケもんけの死後に起きた後継者争いを制して1260年に大ハーンの位に就くと、モンゴル帝国内の対立が深まる中、統治の重心を中国方面へと大きく移していった。

1271年には中国風の国号「元げん」を定め、伝統的な中国王朝の形式を取り入れつつ、南宋を滅ぼして1279年に中国全土の統一を達成した。統治にあたっては、モンゴル人を最上位に置きつつ色目人(西方諸民族)・漢人・南人を身分的に区分する独自の統治体制を敷く一方、大都(現在の北京)を新たな首都と定めて東西交易路の拠点として整備し、マルコ・ポーロの旅行記に描かれるような国際色豊かな繁栄をもたらした。ユーラシア大陸を横断する広大なモンゴル帝国の版図と、中国の伝統的な統治制度とを結びつけた点で、クビライは遊牧帝国の君主でありながら中国王朝の皇帝でもあるという、稀有な二重の性格を持つ統治者として評価されている。