主人公の李長歌は架空の人物で、玄武門の変で殺された皇太子李建成の娘という設定。玄武門の変や幽州での李瑗の反乱、突厥との攻防など背景となる事件は史実に基づく。史実では李建成の息子たちは変の直後に皆殺しにされており、娘が復讐を企てたという記録はない。
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618年に李淵(高祖)が建てた唐では、皇太子李建成と、建国に大きな功を立てた次男李世民が対立した。626年、李世民は長安の玄武門で兄李建成と弟李元吉を討ち、まもなく即位して太宗となる。北方では遊牧国家の東突厥が勢力を誇り、即位直後の唐をおびやかしていた。ドラマはこの唐の建国直後の動乱期を描く。
| ドラマでの役 | 実在モデル | 区分 | 史実での人物像 | ドラマとの違い |
|---|---|---|---|---|
| 李長歌 | — | 架空 | 該当する実在の人物はいない。史書には李建成の息子5人が玄武門の変で殺されたことが記されている。 | 皇太子の娘として生き延び、男装して復讐を目指すという主人公の設定はすべて創作(原作は夏達の漫画)。 |
| 李世民 | 唐太宗(李世民) | 実在 | 唐の第2代皇帝(在位626〜649年)。玄武門の変で兄弟を討って即位し、魏徴らの諫言を受け入れる政治で「貞観の治」と呼ばれる安定期を築いた。 | 主人公の叔父で仇という立場で描かれる。史実の太宗が姪と対立した記録はない。 |
| 阿詩勒隼 | — | 架空 | 該当する実在の人物はいない。東突厥の王族は阿史那氏で、「阿詩勒部」はそれを思わせる架空の部族名。 | 草原の部族の王子という設定はドラマ(原作漫画)の創作。 |
| 魏叔玉 | 魏叔玉 | 実在 | 太宗の名臣魏徴の息子として史書に名が見える。ただし事績はほとんど伝わっていない。 | 主人公の幼なじみで恋心を抱く若者という役どころは創作。 |
| 李瑗(廬江王) | 李瑗 | 実在 | 唐の皇族で幽州を治めていた。李建成と親しく、玄武門の変の後に幽州で兵を挙げたが、部下の王君廓に裏切られて殺された。 | 反乱と王君廓の裏切りは史実に沿う。主人公が反乱に関わる部分は創作。 |
| 杜如晦・房玄齢 | 杜如晦・房玄齢 | 実在 | ともに李世民の側近で、玄武門の変の計画に関わった。後に「房杜」と並び称される貞観の名宰相。 | 主人公を追う側として登場する場面は創作。 |
区分:実在=史料に記録のある人物/合成=複数の人物をもとにした人物/架空=ドラマオリジナルの人物
史書によると、玄武門の変の後、李建成と李元吉の息子たちはすべて殺された。娘たちの消息はほとんど記録がなく、ひとり逃げ延びて復讐を誓う李長歌は原作漫画の創作である。
幽州を治めていた廬江王李瑗が626年に兵を挙げ、腹心の王君廓に裏切られて殺されたのは史実である。ドラマはこの事件に架空の主人公を絡めて物語を組み立てている。
ドラマの「阿詩勒部」は、唐と争った東突厥の王族阿史那氏を思わせる架空の部族である。史実では626年、李世民の即位直後に東突厥の頡利可汗が長安の近くまで攻め寄せ、太宗が自ら出向いて和議を結んだ(渭水の盟)。
太宗李世民は房玄齢・杜如晦・魏徴らを重用して国内を安定させた。630年には名将李靖が東突厥を破って頡利可汗を捕らえ、北方の遊牧民は太宗を「天可汗」と呼んで仰いだ。太宗の治世は「貞観の治」と呼ばれ、後の時代まで理想の政治の手本とされた。
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